二つの傑作に共通するもの
次に『トッケビ』のシーン。
美しい風景を見つめるウンタク。その彼女を後ろから抱きしめるキム・シン。2人は愛を感じあいながら見つめあった。
そして、ウンタクが口を開く。
「私、告白することがあるの。私はもうおじさんに対して見えるものがないの。背が高くて服が高価で目がきれいで……それがすべて。だから、もう剣を抜いてあげられないの。でも、私にはおじさんが可愛く見える」
その言葉を聞いて、キム・シンはウンタクの髪にやさしく触れ、彼女を愛しく見つめ続ける。
演じている俳優も違うし、年代もまったく違う。もちろん、場面設定も異なる。
それなのに、『トッケビ』を見ていると、しきりに『冬のソナタ』を思い出してしまった。ロケ地が同じなのは、たまたまなのだが、『トッケビ』の持つ高い精神性は『冬のソナタ』に通じるものだった。
雪の中で純粋に愛を確かめあう……という場面で、二つの傑作が共通するイメージを持つのは必然なのかもしれない。
コン・ユが立ち尽くす度に1枚の絵画が生まれる!/トッケビ全集19