『愛の不時着』や『梨泰院クラス』などケーブルドラマが絶好調!

地上波のドラマは制作費の調達で苦労しています。当然ながら、番組制作に冒険ができません。どうしても消極的になり、以前人気があったシリーズや定番モノに頼るようになっているのです。だからといって、韓国ドラマ全体が沈滞しているわけではありません。むしろ多様性という面では発展しています。根拠はケーブルテレビのドラマです。





素材が多彩になった

今はとにかく、話題を呼ぶケーブルテレビのドラマが増えています。その中で特に成功しているのは、視聴者のターゲットをしぼった作品です。tvNで放送された『愛の不時着』やJTBCで放送された『梨泰院クラス』はその典型です。
その一方で、地上波の視聴者は幅広いので、できるだけ万人受けを狙わなければなりません。特にドラマの重要な視聴者である女性に関心を持ってもらうためには、恋愛ストーリーが必須です。
しかし、ケーブルテレビは違います。ターゲットの視聴者層を明確に決めることができます。韓国の地上波ではあまり作られない刑事ドラマ、スリラー、奇想天外の設定のドラマなどがケーブルでは高い視聴率を記録しているのです。
韓国はもともと、サブカルチャーの基盤が弱いと言えます。特に多様なジャンルの文学が発達していません。純文学だけを評価する従来の環境から来たものでもありますが、軍事独裁政権の下では犯罪や警察などを素材にする小説は禁じられていました。




1987年に民主化されて規制はなくなりましたが、テレビのドラマが扱うジャンルは恋愛ものばかりでした。ジャンルが限られていたのですが、ケーブルテレビが活性化されてきて状況が変わりました。
とにかく、ケーブルテレビのおかげで、以前より素材がずっと多彩になっています。
しかも、地上波では扱わない素材をもっと自由な表現でドラマ化できるという点は、作る側にも見る側にも魅力的なことです。そういう流れの中で、『愛の不時着』や『梨泰院クラス』が大人気を得るようになりました。
これからの韓国のケーブルドラマはもっと面白くなると思います。

文=「韓流テスギ」編集部

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