周囲への感謝の気持ち/イ・ジュンギの肖像8

兵役からの除隊後の復帰作となった『アラン使道伝』。この作品に主演したとき、イ・ジュンギは大きな恐怖を抱いていたという。彼ほどのスターがいったい、どんな恐怖を抱いたというのだろうか。





彼の意図

イ・ジュンギはこう語った。
「序盤に現場で不自然に振る舞っていたら、撮影は難航していたと思います。勘が鈍っていないだろうか、カメラが恐ろしくないだろうか……という思いがありました。それでも現場が楽しかったおかげで、“感じ”をつかむことができました。スタッフや同僚のサポートも大きいものでした」
多くの人に支えられていることを実感したイ・ジュンギ。軍務に励んだ2年間が自分を大きく変えたと語る。
「本当に大切な経験をしました。2年間、やりたいことができない時間をたくさん過ごし、多くのことを考えました。何よりも与えられた機会に、さらにありがたみを感じるようになりました」
周囲への感謝の気持ちを忘れないイ・ジュンギ。
次の作品は『夜を歩く士(ソンビ)』だった。




このドラマで彼は、王の守護鬼として120年間も生きていくヴァンパイアという役に扮している。
「実際にヴァンパイアは存在しませんが、リアルさが大事です。視聴者のみなさんがリアリティを感じられるように演技しました」
確かに、イ・ジュンギの演技には「こんなヴァンパイアがいるかもしれない」と思わせる現実味があった。
彼の意図は成功したといえるだろう。
その後、本格的な悪役に挑戦したいと言った。それは演技の多様性を広げたいと真剣に考えているからなのだ。
「既存のイメージから脱皮したいという思いがあります。それに、人間イ・ジュンギの中には“ワル”の要素もあるんですよ」
そう語るイ・ジュンギ。彼の挑戦は次々に続いていった。

構成=「韓流テスギ」編集部

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