パク・ボゴム主演『雲が描いた月明り』が描いた歴史とは?

朝鮮王朝23代王・純祖(スンジョ)の時代を舞台に、宮中の陰謀や恋模様を描いた時代劇『雲が描いた月明り』。韓国インターネット上で累計観覧数5000万PVを超えたユン・イスク作家の人気WEB小説初の実写化作品だ。

写真=韓国KBS『雲が描いた月明り』公式サイトより



人気WEB小説初の実写化

本作の大まかな流れは、イ・ヨン世子(セジャ=王の後継者)が、男装の宦官ラオンとの恋を育みながら正しい王を目指していくというもの。『応答せよ1988』で知名度を高めたパク・ボゴム扮するイ・ヨンの、民を思って苦悩する姿や、キム・ユジョン演じるラオン相手に素直になれないツンデレさは、多くの女性視聴者を夢中にさせている。
イ・ヨンのモデルとなったのが、高い能力を示しながら21歳の若さで早世した孝明(ヒョミョン)世子だ。本作をより楽しむために、当時の時代背景を辿ろう。
1800年、名君として数々の業績を残した22代王・正祖(チョンジョ)が病に倒れた。彼の死を看取ったのは、政治的に敵対していた祖母の貞純(チョンスン)王后だけだった。貞純王后は正祖の死後、まだ10歳の世子を23代王・純祖として即位させると、成人していない王の代理として代わりに政治を行なった。
政治を私物化してやりたい放題に振る舞う貞純王后だが、純祖が14歳になると代理政治から手を退いた。貞純王后の代理政治が終わったことで、誰もが内政の安定を予感する。しかし、純祖の正妻である純元(スヌォン)王后が、父である金祖淳(キム・ジョスン)を王の補佐役に推薦することで状況は急変していく。
金祖淳は自らの出身一族である安東金氏(アンドンキムシ)を政治の要職に就けながら敵対勢力を排除していき、一族による権力の独占を図った。安東金氏は法律や制度も自由に書き換えていき、朝鮮王朝は安東金氏に服従しなければ出世できない時代となった。




いつしか、王以上の権力を握り始めた安東金氏に脅威を感じた純祖は、1つの対抗手段を講じた。それが、息子である孝明世子の妻に、名門一族である豊壌趙氏(プンヤンチョシ)の娘を迎えるというものだった。
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