光海君と仁祖は『華政』でどんな国王として登場したのか

ドラマ『華政(ファジョン)』の脚本を書いたのは、『イ・サン』『トンイ』という大ヒット作品を生んだキム・イヨンである。人気脚本家の彼女は『華政』では2人の国王の人物像を見事に対比させていた。





対照的な2人の国王

『華政』の主人公は貞明(チョンミョン)公主(コンジュ)だ。
彼女は、14代王・宣祖(ソンジョ)と仁穆(インモク)王后を両親にして1603年に生まれた。
歴史的に重要な役割を果たしたというわけではない。それでも、朝鮮王朝で一番多くの土地を得た王女であり、いくつもの大事件を乗り越えてきた。そういう王女から激動の17世紀を見通せばどんな歴史が見えてくるのか……それが『華政』のテーマであった。
直接的に貞明公主に関わってくる国王は15代王の光海君(クァンヘグン)と16代王の仁祖(インジョ)だ。
『華政』での2人の国王の描き方は対照的だ。光海君は有能で情もあつい国王として描かれている。もう1人の仁祖は失政続きで器の小さい国王として登場していた。
貞明公主を主人公にしているだけに、こういう描き方は意外だった。なぜなら、光海君は貞明公主の実弟を殺した国王であり、貞明公主と母の仁穆王后を幽閉した張本人だ。




その一方で、仁祖はクーデターを成功させて貞明公主と仁穆王后を助け出した恩人であった。
しかし、『華政』に出てくる貞明公主は、異母兄の光海君に同情を感じ、仁祖に対しては厳しい姿勢を崩さなかった。
そういう描き方をみると、『華政』は貞明公主と光海君との関係に新しい解釈を与えようと意図したドラマだと言える。
その一方で、仁祖の場合は「なぜこんな人物が国王になってしまったのか」という印象を強くするようなストーリーだった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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