「クラシック(古典)になりたい」とポン・ジュノ監督は言った!

映画『パラサイト 半地下の家族』は、第92回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を獲得した。その快挙は日本でも大きなニュースになったが、ポン・ジュノ監督と主演のソン・ガンホが再び来日して2月23日に東京の日本記者クラブで記者会見を開いた。そのときに印象的だった言葉は?





3人の巨匠

記者会見も終わりに近づいたときだった。「映画を作るときの目標は?」と質問されたポン・ジュノ監督はこう答えた。
「自分で言うのは恥ずかしいのですが、『自分の作品がクラシックの映画になってほしい』という妄想を持っています。クラシックになるということは、つまりその映画が時間や歳月を乗り越えていくということになります。例えば、キム・ギヨン監督の『下女』、黒澤明監督の『七人の侍』、アルフレッド・ヒッチコック監督の『めまい』のような作品が作りたいと思っていますが、これはもう妄想ですよね(笑)」
この発言で挙げた3人の巨匠には、ボン・ジュノ監督の尊敬の念が込められている。
キム・ギヨン監督はボン・ジュノ監督が特別に尊敬する自国の大先輩であり、『七人の侍』は「世界のクロサワ」の代表作である。特に、日本で記者会見を行なっているという事情もあって、ポン・ジュノ監督はあえて『七人の侍』の名を出したのだろう。
アルフレッド・ヒッチコック監督はサスペンス映画の巨匠であり、世界中の監督が目標にする巨人である。よく知られている『サイコ』や『裏窓』よりも、地味だが独特の映像美を持っている『めまい』を取り上げるところが、いかにもポン・ジュノ監督らしい。




いずれにしても、尊敬する巨匠たちの作品を例に挙げながら、ポン・ジュノ監督は「クラシック(古典)になりたい」と言った。
とはいえ、カンヌ国際映画祭の最高賞とアカデミー賞の作品賞をダブルで受賞した段階で、すでに『パラサイト』はクラシックになっているのではないか。
ポン・ジュノ監督は「妄想です」と言ったが、それは彼の謙虚な性格からの発言であって、世界中の映画ファンの多くはすでに『パラサイト』を時間や歳月を乗り越える作品だと評価している。
むしろ、10年、20年と経てばさらに、『パラサイト』はクラシックとしての風格を備えていくに違いない。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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