「朝鮮王朝の三大悪女」と称されるのは張緑水(チャン・ノクス)と鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)と張禧嬪(チャン・ヒビン)の3人だが、『華政(ファジョン)』にも、負けず劣らずの強烈な悪女が2人出てくる。
2人の悪行とは?
朝鮮王朝で一番の大地主となった貞明(チョンミョン)公主(コンジュ)が主人公になった時代劇が『華政(ファジョン)』なのだが、この作品には強烈な存在感を出している悪女が2人いて、その1人目が金介屎(キム・ゲシ)である。
彼女は、15代王・光海君(クァンヘグン)を支える女官として裏の仕事を一手に引き受けていた。
その仕事とは、光海君の王位を安定させるために、彼の兄や弟を無惨に亡き者にすることであった。
しかし、最期はあまりに悲惨だった。光海君が1623年にクーデターで廃位になると、金介屎は斬首になってしまった。
もう1人は貴人(キイン)・趙(チョ)氏である。
彼女は、16代王・仁祖(インジョ)の側室となり、仲の悪かった世子夫婦を陰謀によって死に至らしめた。
まさに悪行のかぎりを尽くした悪女なのだが、後ろ楯の仁祖が世を去ったあとには自害に追い込まれている。
最期は自業自得だったとはいえ、金介屎と貴人・趙氏は「三大悪女」以上の悪女であったとも言える。
それによって、張緑水、鄭蘭貞、張禧嬪の3人に金介屎と貴人・趙氏を加えると「朝鮮王朝の五大悪女」と称することができるだろう。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
朝鮮王朝三大悪女(張緑水、鄭蘭貞、張禧嬪)の哀れな最期とは?