かつて韓国の芸能事務所は、マネージャーから独立した人が代表となるケースがほとんどだった。この場合、代表が芸能界をよく知っているという利点はあったが、他の世界のことは知らず、人脈も薄かった。それによって、他のジャンルに進出するといった事業の拡大には向いていなかったのだが……。
新しいビジネスチャンス
この10年で韓国の芸能事務所の規模もすっかり変わった。K-POPの世界的な人気を反映して芸能事務所も巨大化してきたのだ。
こうした有力事務所は、バラエティ番組やドラマといったコンテンツを自ら制作して、新しい収益モデルを確立した。
有利なのは、スターという絶対的な人材を確保していることだ。それを単体のまま動かすのではなく、コンテンツ制作に大いに生かすことで、収益の拡大が見込めるようになってきた。
スターの活動範囲が広がっていることが、有力な芸能事務所に新しいビジネスチャンスをもたらしているのは確かだ。
以前なら、スターは特定のジャンルで精一杯の活動をする傾向が強かったが、今は、音楽・演技・バラエティといった多様なジャンルを1人(あるいは1組)でこなす例が増えている。
また、各ジャンルの垣根が低くなっていることも、有力な芸能事務所にとっては追い風になっている。
しかし、憂慮する声も多い。
というのは、資金力がある芸能事務所がジャンルを広げていくと、コンテンツの多様性が失われる危険性があるからだ。
実際、巨大化した芸能事務所が市場を独占してしまうと、中小の芸能事務所が淘汰されてしまう恐れがある。
それでなくても韓国では、財閥に象徴されるように、どんなジャンルでも特定の企業に利益が集中しやすい。同じことが芸能界でも起きてしまうというわけだ。
巨大化というのは、当たると莫大な収益を得られるのだが、その反動で「マンネリ」に陥りやすいのである。
ファンに飽きられたときが芸能事務所の巨大化の終焉となる。そうならないためにも、新しい人材の育成と独創的な企画の立案が必要だ。
簡単なことではないが、収益をぜひ未来に投資してほしい。
構成=「韓流テスギ」編集部
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