2019年10月4日、コン・ユとチョン・ユミはKBSの人気番組「芸能街中継」に出演した。映画『82年生まれ、キム・ジヨン』の公開が近いことから宣伝を兼ねた出演だったが、この中でコン・ユが興味深い発言をしている。それは『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』についてであった。
万能の男
コン・ユはこれまで多くの作品で多彩な人物を演じてきたが、その中で代表的なキャラクターは『トッケビ』のキム・シンだと語った。
「『トッケビ』はとても多くのことをお見せできるドラマでした。深刻さ、切なさ、コミック、恋愛まで、俳優として多彩な姿をお見せできました。そして、とにかく神です。あのときだけは、私が世の中のすべてを手にした、と思いました」
コン・ユは、キム・シンを演じながら「神」の領域に近づいたのかもしれない。
実際、『トッケビ』の中でキム・シンは、900年前の高麗の将軍でありながら、王に裏切られて命を落とした。しかし、剣が胸に刺さったまま死にきれないで現世までさまよい続けていた。
彼は、雨を降らすことも天気を回復させることもできる万能の男で、地球の裏側にも瞬間的に飛んでいける。それなのに、1人の女性を前に感情だけはどうしてもコントロールできなくなっていた。
俳優として、成りきるのにこれほど不思議な人物設定はない。それだからこそ、コン・ユは「キム・シンに扮することは役者冥利」と感じたはずだ。それが代表的なキャラクターに選んだ理由に違いない。
コン・ユの発言を聞いて、改めて『トッケビ』の奥深さが心に甦ってきた。
文=「韓流テスギ」編集部