創業100年の老舗洋服店が舞台になっている『月桂樹洋服店の紳士たち』。物語は、老齢に達した主人のマンスル(シン・グ)が、後継者がいないことを苦にして家出するところから始まる。とにかく、ドラマの序盤では、落ちぶれた連中が次から次へと出てくる。
左遷させられた副社長
マンスルの息子のドンジン(イ・ドンゴン)は、家業を継ぐことを拒否して大手アパレルメーカーに婿入りしたが、お家騒動に巻き込まれて副社長から地方の流通センターに飛ばされてしまう。失意のどん底だ。
月桂樹洋服店で天才的な裁断技術を披露してきたサムド(チャ・インピョ)も、自分で店を始めたら2軒もつぶす羽目になり、今は女房のソンニョとチキンの店を切り盛りせざるをえなくなっている。
サムドは月桂樹洋服店に戻りたいのだが、ソンニョが絶対に許さない。そのうえに、毎日のように子作りを迫ってくる。
ソンニョを演じているのがラ・ミラン。なんといっても、美男チャ・インピョとラ・ミランのルックスのギャップが凄い。
「こんな夫婦はありえないだろう」
視聴者はそう感じて笑うのだが、いつしかラ・ミランの妖しげな演技に吸い込まれてしまう。まさに、ラ・ミランは「ミスキャスト」でなく「ベストキャスト」なのだ。
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