韓国ドラマは最初から最後まで「セリフが命」!

『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』の素晴らしさについては多くの人が語っている。その中の1つに「セリフがとてもいい」という評価がある。同作品にかぎらず、韓国ドラマには珠玉のセリフがよく登場する。その背景について考えてみよう。

『トッケビ』には名セリフが多かった(写真=tvN『トッケビ』公式サイトより)




恋人同士の愛情表現

韓国人は、自分の感情を表すことに抵抗感が少ないと言えます。
西洋人のように最初から自分の意見をぶつけていくわけではないのですが、感情的な面ではすごく正直に自分を表現しようとします。それに、相手の感情を常に知りたがるというのも韓国人の特徴です。
このような国民性は、ときに厚かましい面として表われますが、人々の感情のコミュニケーションではお互いが正直に自分の気持ちを言い、あるいは、聞く態度を持てるようになります。
また、韓国人は論理的に物事の仕組みを分析するよりは、感情的に現象の状態を共感しようとする傾向があります。そのために人の感情を知ろうとし、また、自分の感情を表現することに積極的です。
これは恋人同士の愛情表現で特に目立ちます。
韓国人は感情の表現に抵抗がないために、家族のように長い間過ごした相手には、当然のように自分の感情や考えをわかってほしいと願う面があります。




しかも、恋人同士は常にお互いの感情を微調整する必要がある分、いつもお互いのことを語り合います。
そのことは文学にも影響しました。
韓国では、文学の中でも感情的なジャンルに属する詩が人気を得ましたが、想像力が必要なファンタジーや論理的な思考の推理物はあまり発展しませんでした。
とにかく、韓国人は日常生活の中でもひんぱんに愛の表現を交わします。
まして、日常生活より劇的でなければならないドラマではもっと感覚的な表現が用いられます。
特にドラマが好きな人たちは、相手を理解させるためのセリフではなく、相手を感動させるセリフを好みます。
なぜなら、キャラクターや物語の心の動きを感じたいからです。
書く側としても、そのことを心得ているので、セリフの一つ一つにとても心血を注いでいるのです。それほどに情熱を傾けている脚本家から珠玉の名セリフがたくさん生まれています。

構成=「韓流テスギ」編集部

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