韓国の生活と習慣を知る9「赤は韓国にとって特別な色」

サッカーの韓国代表の試合がソウルで行なわれると、スタジアムが赤一色に埋まります。韓国料理がズラリと食卓に並ぶと、真っ赤な色合いが目立ちます。このように、韓国を象徴するカラーは、やっぱり「赤」なのでしょうか。





かつて「赤」は敬遠されていた

日本で軍手と言えば、白色のものが一般的です。手のひらにボツボツとしたゴム斑点が付いた滑り止め付きの軍手の場合、その多くは黄色です。
一方、韓国の軍手も白色が主流ですが、滑り止め付き軍手の場合は斑点ではなく、専用の特殊ゴムを手のひらいっぱいに貼ってあります。
その特殊ゴムは真っ赤な色をしているため、日本から見れば作業をしている人が出血したのかと錯覚するほどです。
ゴム自体は他の色でも良いのに、韓国ではなぜ「赤」が好まれるのでしょうか。
韓国の国旗である太極旗の中央にも、万物の根源を意味する太極として、大きく赤が描かれています。陰陽の陽を表すこの赤は、情熱的な韓国の人たちにとって、やはり特別な色なのです。
ところが、かつて赤は共産主義を連想させ、軍事独裁政権時代は徹底的に敬遠されてきました。




つまり、1960年代から70年代にかけて赤は忌み嫌われる色だったのです。
1987年に民主化を達成すると、それ以前の反動であるかのように、赤が韓国社会で目立つようになりました。
サッカーの韓国代表チームの試合となると、ファンが着る赤いユニフォームでスタジアムが真っ赤に染まることはよく知られています。
韓国ではかつて、赤色を使ったデザインの炊飯器が爆発的な人気を得たことがあります。赤が消費者に支持されているので、企業も消費者の好みに対応した赤系の商品を提供することが多くなっています。
しかし、なんといっても究極的なのは韓国料理でしょう。
キムチ、コチュジャン、チゲ鍋など、韓国では唐辛子を使った料理をよく食べますが、その色は強烈な赤です。
それがまた恰好の刺激となって食欲がそそられるのです。
韓国の人たちはパスタを食べるときも、辛くするためにタバスコをたくさん入れたりしますが、その見た目も赤。それには本当にビックリします。




いずれにしても、国が違えば、色に対する好みも考え方も変わってきます。そして、韓国では「目に鮮やかな赤」を目にする機会がとても多いのです。

構成=「韓流テスギ」編集部

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