韓国ドラマを韓国語で見ているとわかります……夫婦の間でも妻が年上の夫をオッパー(兄さん)と呼んだりしています。結婚前の癖が抜けないのでしょうが、日本から見れば、ちょっと違和感があります。
恋人同士の呼び方
人間関係や上下関係を厳しく律する儒教思想が社会全体に浸透している影響なのか、韓国語では、相手への呼びかけの言葉が日本語以上に細分化されています。
たとえば、「姉さん」と呼ぶときも、男性が言う場合と女性が言う場合が違います。男性は年上の女性を「ヌナ」と呼び、女性は年上の同性を「オンニ」と呼びます。
「兄さん」も同じで、男性は年上の同性を「ヒョンニム」と呼び(この「ニム」は「様」という意味なので、親しい間柄ではそれを省略してただ「ヒョン」と言う)、女性は年上の男性を「オッパー」と呼びます。
東京では、いくら年上でも他人であれば「兄さん」「姉さん」とはあまり言いません。しかし、関西ではそういう言い方をよくします。韓国の場合は、100%そういう言い方をして、男性なら年上を「ヒョンニム」「ヌナ」と呼び、女性なら「オッパー」「オンニ」と呼びます。
ここで、恋人同士の呼び方が問題になります。
普通、男女のカップルの場合は、男性が年上のケースが多いようです。そんなときは、恋人同士でも女性は男性のことを「オッパー」と呼びます。
この場合、男性は女性のことを親しみを込めて名前を呼び捨てにします。
結婚前に女性が男性のことを「オッパー」と呼んでいたとしても、夫婦になれば、呼び方が変わります。
韓国ドラマを見ていればよくわかりますが、夫婦はともに配偶者のことを「タンシン(あなた)」と呼ぶことが多くなります。
しかし、新婚時代はまだ恋人時代の延長のようなもので、妻も「タンシン」と呼ぶのが照れくさいようで、慣れ親しんだ「オッパー」を使ったりします。
見方を変えれば、妻が夫を「オッパー」と呼んでいるうちは、まだ夫婦はアツアツだと言えます。妻が夫を厳しく「タンシン」と呼ぶようになったら、夫もピリリと身が引き締まるのではないでしょうか。
「オッパーと呼ばれていた時期が一番良かった」
後になって、そう思い出すかもしれません。
ちなみに、この「オッパー」というのは、そのまま「オ」にアクセントを置いてカタカタ通りに発音すれば正確な韓国語に聞こえます。
文=「韓流テスギ」編集部