王宮を訪ねてみよう1「景福宮」

1392年、李成桂(イ・ソンゲ/初代王の太祖〔テジョ〕)は朝鮮王朝を建国しました。首都の漢陽(ハニャン)は、現在のソウルです。王朝の拠点となる王宮の建設は、1395年に始まりました。

正門の光化門(クァンファムン)



1592年に焼失

王宮の正式名称は「景福宮(キョンボックン)」です。その命名には、「大きな福を迎える」という意味があります。
その“福”が続いたのは1592年まででした。
1592年には朝鮮出兵が起こり、豊臣軍との戦乱の最中に景福宮は燃え尽きてしまいます。
以後、正宮は他に移り、景福宮は放置されたままでしたが、1865年、王の威厳を強めようとした26代王・高宗(コジョン)の父の手によって再建されました。
再び景福宮は正宮に戻ったのですが、それからさらに125年後の1990年から本格的な復元工事が始まり、20年以上の歳月をかけて、現在の景福宮となりました。
正門の光化門(クァンファムン)は、まさに正宮の玄関口にふさわしい威容を持っています。その門をくぐって先に進めば、即位式などが行なわれた正殿の勤政殿(クンジョンジョン)に出ます。




さらにその奥は、王が執務をした思政殿(サジョンジョン)、王の寝室だった康寧殿(カンニョンジョン)、王妃が住んでいた交泰殿(キョテジョン)と続きます。
さらに、外交使節の迎賓館としても使われた慶会楼(キョンフェル)。その景観がとても素晴らしいです。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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