女性から見た王朝物語「第3回/昭憲王后」

8人の王子を産んだ王妃

謀反(むほん)の疑いをかけられた沈温は水原(スウォン)に流され、死罪にされてしまう。
そのことが原因で昭憲王后の実家は没落し、母親は奴婢(朝鮮王朝時代の最下層の身分)に格下げされてしまった。
父母が酷い目にあったことにショックを受けた昭憲王后だが、彼女自身も廃妃の危機に立たされていた。
父親である沈温の成功を妬んでいた者たちから「王妃にそぐわないので、宮殿から追い出せ」という声が上がっていた。
その決定をするのは上王の太宗である。彼は、昭憲王后を廃妃にしてもおかしくなかった。しかし、太宗は彼女を高く評価しており、8人の王子を産んだことを理由に廃妃にはしなかった。




その後、昭憲王后は夫の世宗と仲良く暮らしたが、彼女は、父と母が不幸に陥ったことをずっと嘆いていた。
昭憲王后は1446年に51歳で亡くなったが、彼女の父と母は後に復権して名誉を回復することができた。そのことが、せめてもの救いであった。

文=康 大地(こう だいち)

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