『テバク』で主人公を奔放に演じる/チャン・グンソク全集16

俳優のイメージというのは、大ヒットした作品の映像に左右されることが多い。たとえば、チャン・グンソク。従来の彼の印象はラブコメの雰囲気が踏襲されていたのだが、『テバク~運命の瞬間(とき)~』では新しいチャン・グンソクが現れた。

(写真=韓国SBS『テバク』公式サイトより)




無鉄砲な若者

『テバク』の第3話から、チャン・グンソクが扮するテギルが本格的に登場した。
そのときの彼の演技は、今までとは違うものだった。
彼は突き抜けるような感覚で主人公のテギルを奔放に演じていた。
食べているときは口の中まで見せ、口もとには食べカスが付いている。しかし、そんなことにお構えなしで、言いたいことを言い、やりたいように振る舞って、年長者にこづかれていた。
20歳のテギルは、まだ怖いもの知らずなのである。
こんな無鉄砲な若者をチャン・グンソクはまるで自分の20歳の頃を思い出すように演じていた。
こういう演技では、ラブコメで培った表情が生きてくる。
そうなのである。自分の持ち味を生かし、チャン・グンソクはテギルを奔放に演じていた。
ドラマの中で地方に住むテギルは、父に都の漢陽(ハニャン/現在のソウル)に行きたいと言いだす。




反対されるのだが、ひるまない。天性のイカサマ師ぶりを発揮して、人をだまして金を盗んで、そのまま勢いで漢陽にやってきた。
向かったのは、父と母が20年前に住んでいたボロ家である。
(ページ2に続く)

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