「洪景来の乱」
キム・ユジョンが演じたホン・ラオンは、女性でありながら宦官(かんがん/去勢された男性の官僚)として王宮に入っていくのだが、これは、朝鮮王朝では絶対にありえないことである。
なぜならば、内侍府(ネシブ/王族の世話係や護衛係を担った役所)の内官(ネグァン)というのは宦官が条件となっており、その点は厳しいチェックを行なわれる。ドラマのようにうまく見逃されるというわけにはいかないのだ。
さらに、ホン・ラオンは反乱を起こした洪景来(ホン・ギョンネ)の娘として登場するが、洪景来は歴史上では1811年に反乱を起こしたときに殺害されており、その点でもドラマとは描き方が違っている。
とにかく、「洪景来の乱」は当時の大事件であった。それを『雲が描いた月明り』はストーリーの中に生かしていた。
史実といくつかの違う点はあるが、『雲が描いた月明り』は歴史とフィクションをうまく織り交ぜた時代劇であったと言える。
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