韓国社会について解説するシリーズの中編では、「酒」「歴史」「長幼の序」について取り上げている。特に、歴史を知ると、韓国という国の成り立ちがわかってくる。ぜひ理解していこう。
韓国の歴史を知る
〔4.韓国で酒といえば焼酎〕
韓国は世界でも有数のアルコール消費国だが、最も飲まれているのは焼酎である。これが圧倒的なナンバーワン。350cc入りの小瓶を冷蔵庫などで冷し、一口サイズの透明なグラスに注いで飲む。
日本人のようにお湯や炭酸で割ったりせず、ストレートでそのまま口に運ぶ。焼酎を何かで割ろうとすると、「だらしのない奴」と思われるのがオチ。だから、韓国ではストレートで飲む習慣を身につけよう。ただし、飲み過ぎには注意。
アルコール度数はたいてい25度だが、最近は20度以下のものも多い。銘柄は日本にも輸入されている「真露」が一番人気だ。
焼酎の他には、ビール、マッコリ(どぶろく)、薬酒などが好まれる。韓国のマッコリは酸味がほどよくて実に旨い。辛い料理にも合うのでぜひお勧めだ。
〔5.朝鮮半島の歴史〕
有史以来、小国が割拠する状態だった朝鮮半島も、4世紀以降には北部の高句麗(コグリョ)、南西部の百済(ペクチェ)、南東部の新羅(シルラ)という三国が鼎立する三国時代を迎えた。
軍事的には高句麗が最も強力だったが、6世紀末に中国を統一した隋に度重なる侵略を受け、これを撃退したものの国力を疲弊させた。隋を滅ぼして中国の覇者となった唐も朝鮮半島に領土的野心を見せ、新羅と連合した。まず連合軍は660年に百済を滅ぼし、続いて668年に高句麗も破った。
その後、新羅は唐の勢力を追い出すことに成功し、676年に朝鮮半島で最初の統一国家を打ち立て、首都の慶州(キョンジュ)を中心に高度な仏教文化を発展させた。
新羅のあと、朝鮮半島は高麗(コリョ)王朝、朝鮮(チョソン)王朝と続き、1910年に日本の統治下に入った。1945年に植民地支配から解放されたが、1948年に、南部の大韓民国と、北部の朝鮮民主主義人民共和国に分裂。1950年には朝鮮戦争が勃発したが、1953年に休戦となり、現在に至っている。
〔6.長幼の序〕
朝鮮王朝時代(1392~1910年)に儒教が国教だった影響で、今でも韓国では儒教的な価値観が浸透している。その1つが「長幼の序」。年功序列が浸透していて、年上を敬うことが重要な社会規範になっている。電車の中で若者が老人に席を譲る光景が日常的に見られる。
(後編に続く)
構成=「韓流テスギ」編集部