酒を飲むときの作法
韓国では親、特に父親の前でタバコを吸うことは、極めて無礼なことであるが、お酒も同様に基本的には年長者の前では飲まない。酒席でもし年長者からお酒を勧められたときには、杯を両手で持ち丁重にお酒を受け、年長者に対して直角の向きになるよう横向き(たいていは年長者に向かって右)に座りなおしていていただく。これは年長者にお酒を勧められたがゆえに礼儀上お酒を飲んでいるのであって、決してお酒を楽しんでいるのではないことを示すための行為である。
なお、日本ではよくお酒を注ぐ際に、コップに残っていてもそのまま注ぎ足す光景が見られる。
しかし、韓国ではこの「注ぎ足し」はご法度である。韓国では祭祀(チェサ/日本の法事にあたる)を執り行う際に、死者に対して添酌をする風習があるため、酒席で注ぎ足しをすることは、相手に対して「あなたは死者です」と伝えることになってしまう。
韓国人相手にお酒を注ぐときには、相手のコップが空になるのを待つか、飲み干すよう促してから注ぐことをお勧めする。