イカサマ師のテギル
『テバク』が描いているのは、朝鮮王朝の19代王・粛宗(スクチョン)から21代王・英祖(ヨンジョ)に至る時代である。
とにかく、粛宗は女性関係が派手だったこともあり、王家では正室と側室の間で様々な事件が起きている。その中では特に、「朝鮮王朝随一の悪女」と言われる張禧嬪(チャン・ヒビン)と、ドラマ『トンイ』の主人公になった淑嬪崔氏(スクピンチェシ)が有名である。
興味深いのは、チャン・グンソクが演じるテギルとヨ・ジングが扮する英祖が兄弟となっている点だ。英祖は母が淑嬪崔氏で、生まれたのが1694年だが、その前年にわずか2カ月で早世した兄がいた。
その兄が実は早世したのではなく捨てられていたのだ、という設定が『テバク』の面白いところだ。
捨てられた後にイカサマ師のテギルとして成長していくが、その役をチャン・グンソクが奔放に演じている。
構成=「韓流テスギ」編集部