『華政』で描かれた貞明公主の物語「第10回」

息子に託した遺言

1682年に貞明公主は79歳になった。
自分に残された日々が少ないことを悟ったのだろう。貞明公主は、遺言とも受け取れる文を息子に贈っている。
それは次のような内容だ。
「私が願うのは、お前たちが他人の過ちを聞いたときに、まるで父母の名前を聞いたときのように耳だけにおさめて、口では言わないということだ。他人の長所や短所を取り上げるのが好きだったり、政治や法令を途方もなく言い争ったり……そんなことはとても憎むべきことである。さらには、死んだあとであっても、子孫の間でそんな行ないが起こったということは聞きたくない」
この文を読めば、貞明公主がどういう人であったかがよくわかる。
国王の思惑に翻弄された人生。その中で数々の苦難を経てきた貞明公主は、息子たちに
「人の過ちに寛容であること」「人の道にはずれないこと」「一族が仲良く暮らすこと」を言い含めている。




残された文からは、心が広い女性の姿が想像できる。
その貞明公主は1685年に亡くなっている。
享年は82歳。朝鮮王朝の数多い王女の中でも特別なほど長寿であった。
弟の永昌大君(ヨンチャンデグン)はわずか8歳で光海君(クァンヘグン)の一派に殺されている。
そんな弟の分まで貞明公主はしっかり生きたのである。
(終わり)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

『華政』で描かれた貞明公主の物語「第1回」

『華政』で描かれた貞明公主の物語「第2回」

『華政』で描かれた貞明公主の物語「第9回」




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