コン・ユが『トッケビ』で扮したキム・シンが生きた高麗時代とは何か

キム・シンが仕えた王は?

急場しのぎの遷都は意外と効果があり、高麗はなんとか蒙古の攻撃をしのいだ。なにしろ、都は40年間近くも江華島から移らなかったのである。
しかし、高麗の政権内には、徹底抗戦を唱える一派がいれば、弱腰の和平を主張する一派もいた。結局、1270年以降に高麗は、国号を「元」と改めた蒙古の勢力に支配されるようになってしまった。
それから長い年月が過ぎ、1368年に中国大陸では元にかわって明が統一国家を築いた。
高麗では、北方に退却した元を支持する一派と、明を支持する一派が対立した。その間隙を突いて李成桂(イ・ソンゲ)は開京を陥落させ、政治的に第一人者となった。
最後は、高麗の34代・恭譲(コンヤン)王が李成桂によって追放されて、1392年に朝鮮王朝が誕生して高麗は滅んでしまった。




以上が高麗の歴史だが、『トッケビ』でコン・ユが演じているキム・シンは、1080年頃に生まれたという設定になっている。そして、キム・シンが将軍として活躍した12世紀前半であれば、16代王の睿宗(イェジョン/在位期間は1105~1122年)の統治時代であった。
そんな時代から今に至るまでキム・シンが生きているという設定の『トッケビ』。スケールが大きすぎる。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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