女性から見た王朝物語「第4回/顕徳王后」

母親の呪い

顕徳王后は王子を産んだことにより側室から正室へと昇格した。その場にいた誰もが文宗に後継ぎが誕生したことを喜んだが、それも長くは続かなかった。端宗を産んですぐに顕徳王后が亡くなってしまったからだ。
文宗を含め、多くの人が彼女の突然の死を悲しんだ。
1450年、世宗が世を去り、文宗か即位した。しかし、文宗はわずか2年で亡くなった。そこで、端宗が文宗のあとを継いで王になったが、1455年に叔父(文宗の弟)に王位を奪われてしまった。その非道な叔父が7代王・世祖(セジョ)であった。
それだけでは済まず、世祖は端宗を流刑にしたうえで死薬を与えて殺してしまう。
ところが、世祖はこの日からさまざまな不幸に見舞われることになる。特に、夢の中で端宗の母である顕徳王后から呪いをかけられるようになった。
世祖は深刻な皮膚病に悩まされたが、それも夢の中で顕徳王后からツバを顔に吐かれたからだという。




世祖に降りかかった不幸は、彼の息子たちにも起こった。礼儀正しく勉学に励んでいた長男の懿敬(ウィギョン)が19歳という若さで亡くなってしまう。さらに世祖の死後、二男が8代王・睿宗(イェジョン)となったが、彼も兄と同じ19歳でこの世を去った。在位期間は、わずか1年2カ月だった。
すべて顕徳王后の怨念だと噂された。息子の端宗を世祖に殺された顕徳王后の復讐心は、かくも強烈だった。

文=康 大地(こう だいち)

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