接近『雲が描いた月明り』4「妹を大切にした」

感受性が豊かな世子

歴史的な記録では、イ・ヨンこと孝明世子は、妹たちをとても可愛がったと記されている。特に顕著なのは、孝明世子が妹たちのことをよく詩に登場させていたことだ。
孝明世子は文学的な才能がとても優れていて、詩集を何冊も出している。その中でも『敬軒詩抄』『鶴石集』『談如軒詩集』『敬軒集』が特に有名である。
孝明世子の詩は自然の風景を描いたものが多いのだが、もう1つの大きな特徴は、妹たちとの交流を詩によく表していたということだ。たとえば『思妹氏(サメシ)』という題名のものがあるくらいだ。題名を見ただけで、孝明世子が妹たちをどれだけ愛していたかがわかる。
このように妹たちのことを深く思うことによって、彼はさらに感受性を豊かにしたことであろう。
そういう点でも、孝明世子の人間的な温かさを感じることができる。




彼は、18歳から21歳まで純祖の代わりに政治を主導したのだが、同時に、文学や芸術でも大変優れた才能を見せている。
それだけ卓越した人物であった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

接近『雲が描いた月明り』1「誰が主人公なのか」

接近『雲が描いた月明り』2「歴史背景」

接近『雲が描いた月明り』5「世子の生き方」




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