日本のような割り勘はなかったけれど/なるほど韓国5

日本では年齢がバラバラなグループが居酒屋で飲んでいたとしても、支払いになると「割り勘」という方式が普通に行なわれている。しかし、韓国はそうではない。グループで食事をしたときでも、割り勘はほとんど見られない。





ダチペイとは何?

たとえば、友人同士の場合、食事に誘った人が代金を支払うのが基本だ。この背景には水臭いことを言わなくても、誘われた人がいつかお返ししてくれて、収支としては一致するだろうという暗黙の了解があるようだ。
あるいは、一次会はAが払って、二次会はBが払い、その次はCが……というケースも見られる。
そういう韓国から日本に来た人が、居酒屋の会計時に1円単位まで割り勘している日本人を見て驚愕した、というのはよく聞く話だ。
韓国では割り勘のことをよく「ダチペイ」と言う。これは英語の「ダッチ・ペイ(オランダ人の支払い)」が韓国的な発音になったもの。
イメージが良い言い方とは言えない。それほど、韓国では割り勘に抵抗を感じる人が多いということだ。
学校や会社の先輩・後輩、年齢の違う人たちが一緒に食事をするときは、目上の人が勘定をするのが一般的かも。




これは年下の者が目上の人を敬う一方で、年上の人は年下の者の面倒を見てあげるという儒教思想に基づく考えだ。
とはいっても、いつも支払う人が決まっているわけではなく、その場の雰囲気で決まることもあり、会計の時に伝票の奪い合いになったりする。
割り勘が当たり前の日本人からみると、韓国の「おごったり、おごられたり」という関係が心の負担にならないのか心配になるが、韓国の習慣がもともとそうなので、誰もがうまく会計を仕切っている。
とはいえ、最近では韓国でも若者を中心に割り勘が少しは増えてきた。
「合理的で便利だ」
そう言う人もいる。
若者たちがもっと歳を重ねたら、韓国の食堂でも「ダチペイ」が普通に見られるかもしれない。

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